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ゴムバルブとシールの保存方法
ゴムバルブとシールの保存方法
取付-スナップインゴムバルブに関わるストレス

日頃の使用でスナップインゴムバルブには様々な種類の負荷がかかります。スピードでは遠心力によりタイヤバルブはリムに触れるまで外側に傾き低速で元の位置に戻ります。こうした継続的な運動に加え、半径及び縦方向の振動があります。
例えば石畳の上を運転する場合、発生する力は重力加速度の最大200倍にまで増加します。使用期間中のストレスは、例えば、冷気、熱、高温、により増加します。その他操作圧力、オゾンやリム化学洗浄時の影響にも晒されています。

しかしながら、ゴムバルブの最も過酷な瞬間の一つはホイールへの取付時にあります。最大直径15.3mmのゴムバルブはかなり小さなリムの穴(直径11.3mm)を通過します。正確な寸法及びバルブの潤滑油によって、最大で600N(60kgに相当)の力が発生します。
さらには、バルブがバルブ穴にまっすぐに挿入されず、傾いて挿入される場合、その力は15~10%増加し、それにより、極端な場合にはバルブが裂けることになります。
バルブが取り付け時に裂ける場合は交換可能なので、問題は解決可能ではありますが、より深刻なのは、バルブが部分的に裂け、ストレスが加わった後に完全に裂けてしまい、それによってタイヤの空気圧が急速に失われることです。

通常、バルブの取付には全く問題はありません。スナップインバルブは、大抵頑強な作りで小規模な早期損傷に耐え、機能し続けます(調査によると、注意深く取り付けられたとしても最大3%のゴムスナップインバルブはすでに損傷し、わずかに裂ける)
しかし,老朽化バルブまたは適切に保管されていないバルブが使用される際、状況は明らかにより深刻なものになります。

ゴムバルブの老朽化過程
加硫・橋かけ結合
ゴム製品の製造過程において、加硫として知られていますが、ゴム混合物の個々の分子が反応していわゆる橋かけ結合が生じ天然ゴムが伸縮します。この反応は加硫後に完全に終了せず、さらなる化学反応があり、ゴム材の硬さが増強します。

時系列で見た硬さの増強shoreA
より高温な保管温度で典型的なカーブ

ゴム材の硬化は自然作用で、工業エラストマー材によくあることであり、老朽化による脆弱性と同等にみなされるべきではありません。前述の作用は全てのタイヤバルブに見られるものであり、ブランドや使用されているゴム材の硬さとは無関係です。

ALLIGATORは数年に渡りタイヤバルブの老朽化動作および取り付け時の影響を検証してきました。

提示情報は何千もの個々のテスト結果です。


特に図3におけるテスト装置は全ての検査において一定のテスト条件を確実にするために使用されました。


図4は未使用バルブ(製造後約6ヶ月)


取り付け中の力の上昇を示します。
緑線で示される部分で取付中にバルブに及ぼす力が約400Nのレベルまで徐々に上昇していることがわかります。
この時点でゴムバルブはリム穴にはめ込まれており、バルブ取り付けは完了しています。
そのため整備士はバルブを引っ張ることを止める必要があります。整備士がバルブを引っ張り続ける場合、表のグレーの斜線部分から分かるように力は約850Nまで上昇します

この段階でバルブは完全に破損しています(図3右下図も参照)。

取り付け力(約400N)及び引裂き力(約850N)の間の安全域は新しいバルブに関しては十分余裕があり、仮に整備士が引っ張るのを止めない場合でもバルブが裂けることはありません。

図5は老朽化バルブ
図5は老朽化バルブ(製造後約5年半)の取り付けを示します。
表から分かるように取付力はゴム材の増強した硬さによって850Nまで上昇していて
引き裂き力もまた小幅ではあるが950Nまで上昇しています。正しい取り付け850N及び破損950Nの間の安全域は非常に小さなものとなっています。
仮に取付過程で細心の注意が払われたとしても安全で損傷のない取付はもはや保証されません

縦軸方向の取り付け及び十分な潤滑油
運転時の早期故障を防ぐ

潤滑油の不足によっても同様の影響が生じます(スナップインゴムバルブは取付の前に潤滑油を注油する必要があります)。
乾いた状態でスナップインバルブを挿入すると破損および裂傷の危険性はさらに増加します(取付力はさらに15%上昇)

バルブの正しい保管
取付時にたとえわずかであっても偏角がある場合必要な取り付け力は明白に上昇します。
図のように10度の偏差によって取り付け力にかなりの上昇(約15%)が生じます
新バルブを使用したとしても、バルブ損傷の危険性が増加します。図6b

ゴムバルブを完璧に取付けるためには適切なツールの下で偏角のない取り付けを行うことが重要です。(バルブ穴の中心線に正確に合わさっている必要があります。)図6b参照のこと

取付前のバルブを正しく保管することで前述の老朽化過程を明白に遅らせることが可能です。
適性でない環境で保管されたバルブはすぐに取付に関する問題を引き起こします。
バルブを含む工業ゴム製品の正しい保管方法があります。基本的な点は下記の通りです。

保管方法(DIN7716による)
25度以上の温度はバルブの早期老朽化を起こします。

1.保管温度は-10度から25度の間

2.バルブは乾燥した場所で保管され常に直射日光があたらないようにするものとする
(密閉され光を遮断する梱包)


3.オゾンはバルブに特に有害な影響をあたえるためオゾンを発する装置は倉庫に置かないものとする。同様に倉庫内の極度の温度変動もまた避けるものとする。

上記を発するまたは攻撃的影響をバルブに与える溶剤燃料および潤滑油 油またその他化学薬品は倉庫で保管しないものとしバルブと接触しないようにする

4.バルブは戸外で保管しないものとする

戸外の天候対応シェルター型倉庫もまた適切ではない。
5.原則保管期間が短ければ短いほど取り付け時の確実性は増す。

要約
注意したいポイント

バルブは適正に保管され取り付けられていることと老朽化していないことが安全要素です。老朽過程そして老朽化したバルブ取付中の損傷の危険性は保管状況によって大きく異なります。コストのかかる二次損傷を防ぐために注意点を守る必要があります。

1.「先入れ先出し」システムに従う、すなわち、製造順にバルブを使用すること。
2.過剰に在庫しないこと、少量でのバルブ調達が望ましい
3.バーゲンや特価売出しに注意すること!パーツの耐用年数は
4.取付け機および作業場に供給されるバルブに注意を払うこと

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